私は彼と友達が、まだ繋がっているのかもしれないという不安に襲われていた。
その不安がどんどん大きくなってきて、私の思い過ごしではなく間違いない気がしてきた。
理由はない。
勘なのかわからないが、私は証拠を見つけようと思った。
そんな気持ちでも私は彼と会っていた。
少し遠出しようと彼が言ったので、隣の県までドライブをしてショッピングをした。
その間も友達からメールは来ていた。
「楽しんでる?
今どこ?
何時頃帰るかな?」
なぜそんな事が気になるのか。
私は敢えて、こう友達に返信した。
「楽しくない。
早く帰りたい。
やっぱり私冷めてきてるのかなぁ?」
「そうなんだ。
楽しくないとしんどいね。
早く帰っておいで。
ムリしてデートする必要ないよ。」
「どう?
帰れそう?
帰りたいって言えばいいよ。」
連続でこんなメールが来た。
私の友達への疑いは確信へと変わっていった。
その後返信はしなかった。
夜中に帰って、返信した。
友達は起きていて、私からの返信を待っていた。
「おかえり。
結局こんな時間だね。
あの後どこに行ったの?
ホテル行った?」
こんな事聞くなんて、間違いない。
友達は再び、嫉妬で周りが見えなくなっているんだなと思った。
「あの後、ご飯食べて、のんびりドライブして、ホテル行ったよ。」
「そうなんだ。
仲直り出来たんだね。
良かったー。」
友達は精一杯返信したんだろう。ふと私は、彼からメールが来ていない事に気付いた。
いつもなら、家に帰ったらメールが来る。
今日も楽しかったとか、お風呂入ったから寝るねとか。
でも、来ない。
おかしい。
次の日もメールは来ない。
おはようも、何も無い。
私は5年間で初めて、自分から彼にメールした。
「大丈夫?何かあった?」
昼になっても返信はない。
何かあったんだと思っていた時、友達からメールが来た。
「お疲れさま。
彼とはどう?
ちゃんと仲直り出来てる?」
やっぱり。
友達が、私が言ったことを全部彼に言ってるんだ。私は友達に返信しないまま会社に戻った。
そこには彼が居て、友達も居て、奥さんは居なかった。
私は早く仕事を終わらせて家に帰ろうと思った。
黙々と仕事をしていてふと、顔を上げた。
そこには、彼と友達と、他にも人は居たが談笑していた。
そして、彼が笑いながら友達の肩に手を置いた。
それを見て私は、惨めになった。
私が二人の邪魔をしていたのかもしれない。
そう思った。