友達に返信してすぐ、彼にメールをした。
「友達から全部聞いた。
何となく気づいてたけど、やっぱりそうだったんだね。
知った以上、一緒には居られないから別れます。」
メールを送って数秒後に電話がかかってきた。
彼はメールを読んでない様子だった。
「何してるのー??」
と、いつもの感じだった。
「さっきメール送ったから、それ読んで」
と言って、電話を切った。
再び電話がかかってきた。
「ごめん。
なんて言ったらいいのかわからないけど、寂しかったんだ。
キラリ、最近冷たくなって、一緒に居ても楽しそうじゃないし、俺は必要無いのかなと思った。
キラリには辛い思いさせたのに、俺バカだよな」
私は黙って聞いていた。
「俺はキラリと別れたくない。
信じてもらえないかもしれないけど、向こうとはもう会わないから。
ちょっと待ってて。」
と言って電話を切られた。
数分後、また電話がかかってきたが、私は仕事をしていたので取れなかった。
すると、メールが来ていた。
「仕事かな?
もう会わないって言ったから。
だから、もう一度信じて欲しい。
俺はキラリを愛してる。」
彼からのメールの数分後、友達からもメールが来ていた。
「キラリちゃん。安心してね。
私フラレたから。
ちゃんと彼にフラレたから。
だからもう大丈夫だから。
本当にごめんね。」
友達のこのメールで再び怒りがこみ上げてきた。
ふられるように自分から悪者になったとでも言いたいのか?
私の為に彼にわざと嫌われて別れるようにしたとでも言いたいのか?
友達が私に打ち明けたのは、自分が楽になりたかっただけ。
本当に私の事を考えているなら、私に言わずに別れていたはず。
最後の最後に、私に言いたかったんだと思う。
自分も彼に愛されていたと。
そして、身を引く私は良い人だというアピールだ。
悲劇のヒロインを演じたと思った。
私は友達にメールした。
「彼から聞いたよ。
好きだったんでしょ?
辛い思いさせてごめんね。
私に打ち明けるのも勇気がいったと思う。
話してくれてありがとう。
私達はこんな事があっても友達だから。」
私はなんでこんなメールを送ったのか自分でもわからなかった。
けど、一つだけ思ったことは、彼女も好きだったから、彼女らしくない行動を取ったんだろうということ。
人格を変えるほど好きになったんだろう。
そして、私をバカにするなと腹が立ったけど、男のせいで友達と縁を切るという事はしたくなかった。
悪いのは彼。
友達は悪くない。
冷静に考えるとそういう事だ。
私は彼とも友達とも別れなかった。