私は友達からの情報で、イライラする事が多くなってきた。
それに彼には言えない。
そもそも奥さんと仲良くしてても、私が文句を言う権利はないし、彼が家族で出掛けたりしてても、何も言えない。
彼からは、奥さんとはもう男と女ではないし、会話も仕事の事か子供の事を話すくらいだと聞いていた。
そんなわけない。
嘘だと思ってはいたが、彼を好きだという気持ちから、その言葉を信じたかった。
友達から、
「キラリちゃんの彼氏、奥さんとエッチしてるよ」
「奥さん言ってたよ」
そんな事教えてくれなくていい。
なんでそんな事言うのか、私のため?
それとも…?
その頃から、私は友達の事を疑うようになっていた。
友達からの情報はどんどん増えていった。
「今日は彼と会うの?」
「今度いつ会うの?」
「楽しんできてね」
「帰ったらまた教えてね」
「どこ行ってたの?」
「楽しかった?」
「エッチした?」
「彼に愛してるっていわれた?」
私は友達を疑いながらも、正直に答えていた。
友達は、
「良かったねー。いいなー」
「次はいつ会うの?また教えてね」
友達はメールの中でも、実際に会って話した時も、表情一つ変えず、楽しそうに話していた。
でも、友達の心中は嫉妬で爆発しそうになっていた。
だからなのか、友達からの報告も私に悟らせるような細かな事を言うようになっていた。
「私の彼は私と同い年で、A型なんだ」
「彼にこんな事言われたよ」
「彼が好きな曲はこれで、いつも一緒に聞いてるんだ」
そのどれもが、私の彼と一致していた。
何度も友達に問いただそうかと思ったが、なんの証拠もない。
違うよと言われたらそれで終わり。
私の思い過ごしであって欲しいと思う気持ちも強くて、見てみぬふりをしていた。
そんなある時、彼から怒りながらこんな事を聞かれた。
「俺らの事、誰かに話しただろ!」
こう言われて、友達が話したんだと思った。
やっぱり間違いない。
私は友達以外誰にも話してない。
友達にも、彼にも何とも言えない感情が湧き出していた。